本記事ではこれからアクセス解析を始める方向けに、Googleタグマネージャー、Googleアナリティクス、Googleサーチコンソールを用いた設定方法をまとめている。

前提としてGoogleアカウントを所有している必要がある。

個人であれば(所有していない場合は)Googleアカウント作成のページからアカウントを作成すれば良いが、法人利用(Google Workspaceなど)の場合は「Webサイト管理用」のアカウントを作成し、そのアカウントで以下の設定を行うことを推奨する。

GTMを設定する

01
Googleタグマネージャー にアクセスする
02
アカウントを作成する

「アカウント」と「コンテナ」について

アカウントとは、コンテナを管理するグループを指す。
コンテナとは、実際に設定を行っていくサイトを指し、1サイト1コンテナが推奨されている。

03
該当のタグをWebサイトに貼り付ける
対象のWebサイトの全てのページに貼り付ける
サンプルコード

タグの設置箇所について

<script>は「<head>内のなるべく上の方へ貼り付け」という指示があるが、以下の記述よりは下に設置することを推奨。

  • metaタグ
  • 外部CSSファイル読み込み
  • GTM内で使う可能性のあるJavaScript変数宣言(dataLayerなど)
  • ページ内容を変更するJavaScriptコード
  • リダイレクトを行うJavaScriptコード

なお、<noscript>の方は指示通り、<body>の直下に設置すること。

以上でタグマネージャーのタグの埋め込みは完了。
しかし、この状態では管理しているタグがゼロの状態=入れ物だけが存在している状態なので、以降のステップでこの入れ物に入れるタグを生成していく。

GSCを設定する

01
Googleサーチコンソール にアクセスする
02
任意のプロパティタイプを選択、入力

プロパティの違い

ドメインとURLプレフィックスの違いの図

ドメインプロパティの特徴は、http・https、wwwあり・wwwなし、トレイリングスラッシュの有無、サブドメイン、サブディレクトリ、といった複数のURLを1つにまとめてデータを監視・管理することができる。

URLプレフィックスプロパティの特徴は、複数のドメイン(URL)を別々に分けて※データを監視・管理することができる。

管理・運用が楽なのはドメインプロパティだが、企業ページとブログを分けて監視・管理したい場合には、URLプレフィックスプロパティの方が適切な場合がある。

※URLプレフィックスで設定したドメイン(URL)の配下が管理対象になるので、全てのページを手作業で登録する必要はなく、管理したいWebサイトのトップページだけを登録すればいい。

ドメインプロパティの設定方法
URLプレフィックスプロパティの設定方法

GAを設定する

01
Googleアナリティクス にアクセスする
02
アカウントを作成する

アカウントとプロパティの階層構造

Googleアナリティクスは、「アカウント」「プロパティ」「ビュー」の3つの階層構造で構成される。

アカウントとプロパティ、ビューの違いの図

ビジネス用途では一般的に、アカウントは会社名、プロパティはサイト毎に分けるケースが多い。それぞれの階層でユーザーを設定でき、アカウントに紐づいたユーザーは全てのプロパティとビューを閲覧できる一方で、プロパティのみに紐づいたユーザーはそのプロパティ下の全てのビューを閲覧できるが、そのプロパティが紐づいているアカウントの他のプロパティ(とビュー)は閲覧できない。外部のユーザーと権限を共有する際は、この仕組みを理解して適切な権限付与を行う必要がある。

03
プロパティを設定する
GA4の場合
ユニバーサルアナリティクス(旧GA)の場合

旧GAとGA4の違いは?移行すべき?

GA4では、計測の形式がすべて「イベント」という形式になり、PV(ページビュー)もすべて「イベント」として計測されるようになった。これにより、スクロール・ファイルダウンロード・外部リンククリックなどといったイベントのデータを自動で取得できるようになった。(旧GAでは、タグマネージャーと併用することで計測自体は可能)

旧GAとGA4の違い
GA4 旧GA
PV(ページビュー)

イベントとして計測

PVとして計測

イベント

イベントとして計測

イベントとして計測

Eコマース

イベントとして計測

Eコマースとして計測

カスタムディメンション
イベントの項目をカスタムディメンションとして設定 カスタムディメンションとして設定

現在(2021年4月時点)ではGA4に関する情報が出回ってきてはいるものの、旧GAの方が使いやすい、使い慣れている、それを前提にしたレポーティング体制である、などなど、旧GAを使用したいシーンも多少ながらあることから、GA4と旧GAで並行して計測し、本格的にGA4へと乗り換える際に過去データがある状態で開始できるようにしておくことを推奨。

GTMとGAを連携する

タグマネージャーとGoogleアナリティクスを連携させる際は、タグマネージャー上でGoogleアナリティクスの設定を行う。

01
新しいタグを作成

STEP1で作成したタグマネージャーのコンテナの左メニュー内の「タグ」を選択、右上のボタンから作成。(ワークスペースで「新しいタグを追加」をクリックすることも作成可能)

「タグ設定」を選択し、「タグタイプの選択」で設定したいアナリティクスに応じて「Google アナリティクス: ユニバーサル アナリティクス」または「Googleアナリティクス:GA4設定」をクリックする。

GA4と連携する場合
ユニバーサルアナリティクス(旧GA)と連携する場合

Googleタグマネージャーを使用する際の注意事項

GoogleタグマネージャーとGoogleアナリティクスを連携して使用する際、Googleアナリティクスのタグを併用するとアクセスが重複して計測されてしまうため原則として併用しないこと。

NG例

すでにGoogleアナリティクスタグでトラッキングを行っている場合

サイトでアナリティクスをタグマネージャーに移行したい場合には、タグマネージャーの設定が済み次第、ソースからアナリティクスコードを削除する必要がある。
コードを削除するタイミングはいくつか考えられるが、それぞれメリットデメリットがある。

  1. タグマネージャーのタグを埋め込むタイミング
  2. タグマネージャー管理画面上でアナリティクスを設定する直前
  3. タグマネージャー管理画面上でアナリティクスを設定した後

1は、サイトの編集作業が1回で済むメリットがあるが、タグマネージャー上での設定が完了するまでサイトのトラッキングが停止してしまう。
一方2や3は、サイトの編集作業が複数回になってしまうデメリットがあるが、トラッキングへの影響が最小限にできる。
2の場合設定に手間取ると影響が大きくなってしまう点、3の場合一時的にアクセスが二重カウントされてしまう時間ができてしまう点に注意する。

02
タグマネージャーの動作確認をする
「プレビュー」から確認
GoogleChromeの拡張機能から確認
03
タグを公開する

うまく発火していたらワークスペースに戻って公開ボタンをクリックし、任意で管理用にバージョン名や説明を残して公開する。

公開を押さないと反映されない点に注意

連携が反映されないときの確認項目と対処法

Googleタグマネージャーが機能していない
タグマネージャーは機能しているが、Googleアナリティクスのタグが発火しない
Googleアナリティクスのタグは発火しているが、アクセスが反映されていない

GSCとGAを連携する

01
連携状況を確認

アナリティクスのメニュー「集客」>「Search Console」>「検索クエリ」をクリックする。

画面にレポートが表示される場合は、すでに連携が完了している

未連携の場合は、「このレポートを使用するにはSearch Consoleの統合を有効にする必要があります」というメッセージが表示されるので、「Search Consoleのデータの共有の設定」をクリックする。

02
プロパティ画面からサーチコンソールを連携

プロパティ設定画面に遷移するので、下のほうにある「Search Console」の「Search Consoleを調整」をクリックする。

Googleサーチコンソールの設定画面に遷移するので、紐付けるプロパティを選択する。

GA4とサーチコンソールの連携

現時点(2021年4月)でGA4とサーチコンソールを連携させる方法はない。
よって、ユニバーサルアナリティクス(旧GA)との連携が前提となる点に注意。