アートは「自己が中心」
アートとは簡潔に言えば表現と創造であり、表現の中に制約はない。
アーティストは自分や他者の感情や体験、もしくは日常や歴史的な事柄をアートに昇華し、世間に対する疑問や批評を人々に伝えることができる。一方で彼らのアートが大衆に理解される必要はない。
よって、アートは「自己が中心」であるといえる。
デザインは「他者が中心」
デザインは問題解決のために使われる。よりよいプロダクトをつくるために問題を解決しなければならず、より多くの人にプロダクトの意図を理解してもらい、使いやすくなるようにデザインする必要がある。
写真やスケッチなどの視覚的センスを必要とする能力は、あくまで問題を解決する際に立てた仮説を補助や検証するために使われるものに過ぎない。
デザインとは設計である
「ドリル」と「穴」を意識したデザインを心掛ける。
「昨年、4分の1インチ・ドリルが100万個売れたが、これは人びとが4分の1インチ・ドリルを欲したからでなく、4分の1インチの穴を欲したからである」
クリエイターにとっては斬新な表現・最先端のサイトであっても、クライアントやユーザーはそれがどれだけすごいのかよく分からない。
「自己満足のアート」を取り入れたデザインはペダンチックになりやすいので注意する。
アートとは違い、デザインはユーザーの体験(=UX)を最優先する。
デザインの敗北
アートとデザインを混同させてしまい、本来のデザインの目的を達成できない「自己満足のアート」を「デザイン」
として世に出してしまうケースが後をたたない。
余談・光通信のWebサイトを見よ!
コロナ禍(2020年6月当時)においても増収増益を誇る光通信の企業サイトは、一体どんな装飾・最新技術が施されたWebサイトなんだろう?と意気揚々とアクセスした結果がこれだよ。
企業サイトにおいて、煌びやかな装飾やダイナミックな動きは、必ずしも売上に必要不可欠なものではないことを示している。