Googleデータポータルとは

Googleデータポータル とは、GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソール 、Google広告などのGoogle系サービスの外部データや、スプレッドシートに保存されている内部データをダッシュボード・レポート化することができる無料のBIツール。

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Welcome to Data Studio!

Googleデータポータルの利点

ダッシュボード・レポート化ができるだけであれば、Googleアナリティクスのカスタムレポートやマイレポートで事足りる。

Googleデータポータルの利点は以下の3つに集約される。

関数で新たな項目を作成できる

Googleアナリティクスで地域(都道府県)のディメンションを表示すると、以下のように全て英語表記になっており可読性が悪い。

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地域名(都道府県)がすべて英語表記

Googleデータポータルでは、Googleアナリティクスで呼び出した地域(都道府県)のディメンションに対して以下のような関数を用いることで、「英語表記を日本語表記に直した地域(都道府県)」のディメンションを作成することができる。

日本語表記の都道府県

CASE
WHEN 地域 IN ("Hokkaido") THEN "北海道"
WHEN 地域 IN ("Aomori") THEN "青森県"
WHEN 地域 IN ("Iwate") THEN "岩手県"
WHEN 地域 IN ("Miyagi") THEN "宮城県"
WHEN 地域 IN ("Akita") THEN "秋田県"
WHEN 地域 IN ("Yamagata") THEN "山形県"
WHEN 地域 IN ("Fukushima") THEN "福島県"
WHEN 地域 IN ("Tokyo") THEN "東京都"
WHEN 地域 IN ("Kanagawa") THEN "神奈川県"
WHEN 地域 IN ("Chiba") THEN "千葉県"
WHEN 地域 IN ("Saitama") THEN "埼玉県"
WHEN 地域 IN ("Ibaraki") THEN "茨城県"
WHEN 地域 IN ("Gunma") THEN "群馬県"
WHEN 地域 IN ("Tochigi") THEN "栃木県"
WHEN 地域 IN ("Yamanashi") THEN "山梨県"
WHEN 地域 IN ("Nagano") THEN "長野県"
WHEN 地域 IN ("Niigata") THEN "新潟県"
WHEN 地域 IN ("Toyama") THEN "富山県"
WHEN 地域 IN ("Ishikawa") THEN "石川県"
WHEN 地域 IN ("Fukui") THEN "福井県"
WHEN 地域 IN ("Aichi") THEN "愛知県"
WHEN 地域 IN ("Shizuoka") THEN "静岡県"
WHEN 地域 IN ("Gifu") THEN "岐阜県"
WHEN 地域 IN ("Mie") THEN "三重県"
WHEN 地域 IN ("Osaka") THEN "大阪府"
WHEN 地域 IN ("Hyogo") THEN "兵庫県"
WHEN 地域 IN ("Kyoto") THEN "京都府"
WHEN 地域 IN ("Shiga") THEN "滋賀県"
WHEN 地域 IN ("Nara") THEN "奈良県"
WHEN 地域 IN ("Wakayama") THEN "和歌山県"
WHEN 地域 IN ("Okayama") THEN "岡山県"
WHEN 地域 IN ("Hiroshima") THEN "広島県"
WHEN 地域 IN ("Shimane") THEN "島根県"
WHEN 地域 IN ("Tottori") THEN "鳥取県"
WHEN 地域 IN ("Yamaguchi") THEN "山口県"
WHEN 地域 IN ("Tokushima") THEN "徳島県"
WHEN 地域 IN ("Ehime") THEN "愛媛県"
WHEN 地域 IN ("Kagawa") THEN "香川県"
WHEN 地域 IN ("Kochi") THEN "高知県"
WHEN 地域 IN ("Fukuoka") THEN "福岡県"
WHEN 地域 IN ("Kumamoto") THEN "熊本県"
WHEN 地域 IN ("Kagoshima") THEN "鹿児島県"
WHEN 地域 IN ("Saga") THEN "佐賀県"
WHEN 地域 IN ("Nagasaki") THEN "長崎県"
WHEN 地域 IN ("Oita") THEN "大分県"
WHEN 地域 IN ("Miyazaki") THEN "宮崎県"
WHEN 地域 IN ("Okinawa") THEN "沖縄県"
ELSE "国外・判定不能"
END

さらに、Googleアナリティクスには存在しない「地方名(八地方区分)」のディメンションを作成することも可能だ。

都道府県を八地方区分に分類

CASE
WHEN 地域 IN ("Hokkaido") THEN "北海道"
WHEN 地域 IN ("Aomori", "Iwate", "Miyagi", "Akita", "Yamagata", "Fukushima") THEN "東北"
WHEN 地域 IN ("Tokyo", "Kanagawa", "Chiba", "Saitama", "Ibaraki", "Tochigi", "Gunma") THEN "関東"
WHEN 地域 IN ("Yamanashi", "Nagano", "Niigata", "Toyama", "Ishikawa", "Fukui") THEN "北陸・甲信越"
WHEN 地域 IN ("Aichi", "Shizuoka", "Gifu", "Mie") THEN "東海"
WHEN 地域 IN ("Osaka", "Hyogo", "Kyoto", "Shiga", "Nara", "Wakayama") THEN "関西"
WHEN 地域 IN ("Okayama", "Hiroshima", "Shimane", "Tottori", "Yamaguchi", "Tokushima", "Ehime", "Kagawa", "Kochi") THEN "中・四国"
WHEN 地域 IN ("Fukuoka", "Kumamoto", "Kagoshima", "Saga", "Nagasaki", "Oita", "Miyazaki") THEN "九州・沖縄"
ELSE "その他"
END

高機能なグラフが作成できる

Googleサーチコンソールでは、あまり高機能なグラフを使用できないため、CSV等でエクスポートしてローカルで編集するなどをして情報の可視化を行う必要があった。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: サーチコンソール-1024x798.png
Googleサーチコンソール では表形式のアウトプットしかできない

Googleデータポータルでは、Googleサーチコンソールから取り込んだデータを以下のようなバブルチャートに可視化することが可能だ。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: バブルチャート-1024x443.png
バブルチャートは表形式よりも見やすく、改善策を打ち出しやすい

複数のデータソースを統合し、新たなデータソースを作成できる

Googleアナリティクス と Googleサーチコンソール は共通しているディメンション・指標があり連携機能もあるが、連携してもデータそのものが結合されているわけではないため、それぞれをかけ合わせたデータ表現ができない。

Googleデータポータルでは、それぞれのデータポータルを統合し新たな混合データソースを作成することができる。

混合データの概念図
混合データの概念図

それぞれのデータソースで共通のキー(「日付」など)が存在していることが条件にはなるが、単体のデータソースでは実現できないグラフや表のアウトプットが可能だ。

Googleデータポータルの基本

Googleデータポータルを使用する前に、使用することができるデータソースとグラフの種類を確認する。

データソースの種類(Google提供)

Google アナリティクス Google アナリティクスのレポートビューに接続します。
Google 広告 Google 広告の掲載結果レポートのデータに接続します。
Google スプレッドシート Google スプレッドシートに接続します。
BigQuery BigQuery テーブルとカスタムクエリに接続します。
Cloud Spanner Google Cloud Spanner データベースに接続します。
Cloud SQL for MySQL Google Cloud SQL for MySQL データベースに接続します。
Google Cloud Storage Google Cloud Storage でファイルを表示します。
Google アド マネージャー 360 Google アド マネージャーのデータに接続します。
MySQL MySQL データベースに接続します。
PostgreSQL PostgreSQL データベースに接続します。
Search Console Search Console データに接続します。
YouTube アナリティクス YouTube アナリティクス データに接続します。
キャンペーン マネージャー キャンペーン マネージャーのデータに接続します。
ディスプレイ&ビデオ 360 ディスプレイ&ビデオ 360 のレポートデータに接続します。
データの抽出 接続してデータを抽出
検索広告 360 検索広告 360 のパフォーマンス レポートに接続します。
ファイルのアップロード CSV(カンマ区切り)形式のファイルに接続します。

グラフの種類

Googleデータポータル:グラフ「表」
スコアカード
Googleデータポータル:グラフ「スコアカード」
期間
Googleデータポータル:グラフ「期間」
Googleデータポータル:グラフ「棒」
Googleデータポータル:グラフ「円」
地図
Googleデータポータル:グラフ「地図」
Googleマップ
Googleデータポータル:グラフ「Googleマップ」
折れ線
Googleデータポータル:グラフ「折れ線」
Googleデータポータル:グラフ「面」
散布図
Googleデータポータル:グラフ「散布図」
ピボットテーブル
Googleデータポータル:グラフ「ピボットテーブル」
ブレッド
Googleデータポータル:グラフ「ブレット」
ツリーマップ
Googleデータポータル:グラフ「ツリーマップ」

Googleデータポータルの活用

計算フィールドを追加する

Googleデータポータルでは、データソースとして取り込んだ情報をフィールドとして利用できる。

このフィールドは大きく分けると指標・ディメンションの2つに分類される。

指標とディメンション
指標とディメンション

指標とディメンションの違い

指標とディメンションの違いは、「○○別に××を見る」場合、「○○」にあたるのがディメンションで、××にあたるのが指標である。

また、Googleデータポータルではデータソース内のフィールドに独自の指標・ディメンションを作ることができる「計算フィールド」という機能が存在する。

条件分岐の「CASE式」

「〇〇がXの場合は1、Yの場合は2、いずれのにも該当しない場合は3」のような条件分岐(Excelでいう「IF関数」)は以下のCASE式を用いる。

CASE
 WHEN ◯◯ = 'X' THEN 1
 WHEN ◯◯ = 'Y' THEN 2
 ELSE 3
END

また、「=」以外にも以下のようなIN句での指定も可能だ。
(以下では「〇〇がaの場合は1、X・Y・Zのいずれか場合は2、該当しない場合は3」という条件分岐)

CASE
 WHEN ◯◯  IN ('a') THEN 1
 WHEN ◯◯  IN ('X', 'Y', 'Z') THEN 2
 ELSE 3
END

REGEXP_MATCH関数と組み合わせて利用することで、正規表現のルールで条件を定義することができるようになる。
(以下では、「□□に 0〜4が含まれている場合はX、該当しない場合はY」という条件分岐)

CASE
  WHEN REGEXP_MATCH(□□, ‘[0-4]’) THEN ‘X’
  ELSE ‘Y’
END

ダッシュボードとレポートの違い

ダッシュボード

定期的に数値を監視し、リアルタイムにデータを集計して表示するもの。

レポート

特定の条件・仮説のもとにデータを集計し、一定の示唆を得るためのもの。

ダッシュボードを作る

レポートを作る