特に規模の大きいWebサイトでは、クロールバジェットを気にする必要がある。
よって、
①indexするページの一本化(=重複ページを無くす)
②クローラビリティの改善(=無駄なクロールを減らす)
という観点で、施策を講じる必要がある。
リンクURLとcanonicalが異なる場合は2回クロールが必要
内部リンクで指定しているURLと、遷移先ページのcanonicalで設定されたURL(=正規ページ)が異なる場合、クローラは①内部リンクを辿る、②canonicalで設定されたURLを辿る、というように1つのページに対して2回のクロールを行うことになる。
よって、canonicalで解消されるのは「①indexするページの一本化」のみであり、「②クローラビリティの改善」は別の施策を講じる必要がある。
リンクURLは可能な限り正規URLを指定する
パラメータの有無によってページ内のコンテンツに変化が出るケースを除けば、内部リンクは可能な限り正規URLを指定することが望ましい。
ページ内のクリック箇所の測定のためにパラメータを付与しているケースが多いが、その測定そのものはイベントトラッキングで比較的容易に実装可能である。
結論として、クロールバジェットの観点から、直接正規URLをクロールさせるべき。
自サイト内のリンクはコントロールが効くため、サイト内のaタグの指定が非正規URLになっている箇所は、全て正規URLに差し換えていく。
sitemapsの更新もお忘れなく
クロールバジェットの観点から、sitemaps(xml)内に記載されたURLに非正規URLがあれば、それも全て正規URLの記載へと変更する必要がある。
canonicalタグの修正が必要なケースも
googleは過去のクロールで非正規URLの存在を認識しているため、非正規URLへのクロールも継続される。よって非正規URL側のページ(HTML)のcanonicalタグで正規URLを指定することも必要になる。
サイト内リンクでの計測用パラメータの使用はデメリットが多い
SEOのデメリット
google検索で「inurl:」コマンドで「urlに”utm_campaign=”を含むもの」を検索した結果
https://www.google.com/search?q=inurl%3Autm_campaign%3D
ページ内で「canonicalでパラメータが無いURLを指定していない」場合、パラメータ付きのページが検索結果にindexされていることが分かる。
この結果からもgoogleが「パラメータの有無/パラメータの値違い」を別URLとして認識していることが確認できるため、仮にcanonical指定は実施しているとしても、クローラビリティ観点でのマイナスが残る。
アクセス解析のデメリット
セッションの重複カウントが発生する
UTM パラメータ付きのサイト内リンクをクリックしてしまったユーザーのセッションは、 UTM パラメータ付きのサイト内リンクをクリックする前のセッションと後のセッションでそれぞれ別セッションとしてカウントされてしまう。
流入元の特定がしづらくなる
UTM パラメータ付きのサイト内リンクをクリックしてしまったセッションの本来の流入元が分からなくなってしまう。
canonicalとメッシュリンク
form等からの非正規URLへのアクセスを全て正規URLに301リダイレクトさせる必要は無い。
クロール導線上のページが正規URLになっていれば、非正規URLでページ表示させること自体は問題ない。
この「クロール導線上のページを正規URLにする」方法は以下が一般的。(主流は前者だが、SEO上はどちらでも良い)
canonicalで正規化する場合(タウンワークの事例)
①東京×飲食のバイト:https://townwork.net/tokyo/jc_001/
検索フォーム内「特徴・給与」を押下し、モーダルで「短期」を選ぶことで、「東京×飲食×短期のバイト」のページへ遷移するが、
②モーダル内の「短期」リンク押下時:https://townwork.net/tokyo/jc_001/short/
と
③モーダル内の「選択した条件で絞り込む」ボタン押下時:https://townwork.net/joSrchRsltList/?prc=0052&ac=041&jc=001
のように、異なるURLで同内容のページが表示される。
③のソースを見ると、canonicalでは②のURLが指定されている。
301リダイレクトで正規化する場合(フロムエーの事例)
①東京×アパレルのバイト:https://www.froma.com/tokyo/SJBa22001/
上記ページで「こだわり条件を選ぶ」を押下し、モーダル内で「稼ぎ方」の「日払い」を選択して「決定」を押すと、
②東京×アパレル×日払いのバイト:https://www.froma.com/tokyo/SJBa22001/MRT1053/
に遷移する。
が、この途中の通信を見ていくと、
「①→(③パラメータ形式のURL)→301リダイレクト→②」と間に別URLを挟む動きをしている。
③途中で経由されるURL:https://www.froma.com/baito/jobList/?mrt_indx_f_cd=1053&sort_cd=&edition_cd=1&nv_jb_type_s_class_cd=a22001&pfe_cd=13
フォームで「日払い」「週払い」と2つ選択した際のURLなどは、
④東京×アパレル×日払い・週払いのバイト:https://www.froma.com/baito/jobList/?mrt_indx_f_cd=1053&mrt_indx_f_cd=1054&sort_cd=&edition_cd=1&nv_jb_type_s_class_cd=a22001&pfe_cd=13
のように、③と同形式のURLでページが表示されており、
「正規化URLがある条件の場合は、301リダイレクトでページURLを一本化」という対応と分かる。